2016年1月第112号|7|国税の猶予制度(換価の猶予)|

国税をその納期限までに納付していない場合には、延滞税がかかるほか、督促状の送付を受けてもなお納付されない場合には、財産の差押等の滞納処分を受けることがあります。しかし、一時に納付することが困難である場合には、財産の換価(売却)や差押が猶予される「換価の猶予」という制度があります。

■ 換価の猶予の概要

 国税を一時に納付することにより事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがある場合に、差押財産の換価が猶予される制度です。これが認められると猶予期間中の延滞税が一部免除され、財産の差押や換価が猶予されます。
以前は税務署長の職権によってのみ換価の猶予が適用されていましたが、平成26年度税制改正により平成27年4月1日以降に納期限が到来する国税から、納税者自らが申請することにより換価の猶予を利用できるようになりました

■ 換価の猶予の要件(税務署長の職権によるものを除く。)

次の(1)から(5)のすべての要件に該当する場合には、換価の猶予を受けることができます。

  1. (1)納税について誠実な意思を有すると認められること。
  2. (2)その国税を一時に納付することにより、
    その事業の継続又はその生活の維持を困難にするおそれがあると認められること。
  3. (3)その国税の納期限から6ヶ月以内に猶予の申請がされたこと。
  4. (4)国税通則法46条に規定する納税の猶予の適用を受けている国税でないこと。
  5. (5)税務署長が担保の徴取を必要と認めた場合において、担保の提供があったこと。※

ただし、申請に係る国税以外の国税(猶予の申請中の国税及び一定の猶予中の国税を除く。)の滞納がある場合は適用しない。

    1. 次の①から③のいずれかに該当する場合には、担保の提供をする必要はありません。
      1. ①猶予を受ける金額(未確定の延滞税を含む。)が100万円以下である場合
      2. ②猶予を受ける期間が3ヶ月未満である場合
      3. ③担保として提供することができる財産がないといった事情がある場合

■ 猶予期間

 猶予期間は原則として1年以内の期間に限られます。また、この期間においてその猶予に係る金額を納税者の財産の状況等から、合理的かつ妥当なものに分割して納付する必要があります。

■ 申請書類

猶予を受けようとする金額が、100万円を超えるか否かにより、申請書類も異なります。

  1. (1)換価の猶予を受けようとする金額が100万円以下の場合
    1.      ①換価の猶予申請書
    2.      ②財産収支状況書
  2. (2)換価の猶予を受けようとする金額が100万円を超える場合
    1.      ①換価の猶予申請書
    2.      ②財産目録
    3.      ③収支の明細書

■ まとめ

 最近は特に消費税の税率が上がったことで、納税も例年よりも高額になり、一時に納付することが困難な中小企業や個人事業主の皆様もいらっしゃるかと思われます。換価の猶予制度はこのような社会情勢に鑑み、納税者にとって使いやすい制度になりましたので、一度利用することもご検討されてはいかがでしょうか?
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船橋営業所TEL:047-495-4153

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