2016年3月第114号|2|祭祀財産の承継|

最近、お墓や遺骨に関する相談を受けることが多いと感じています。
「お墓は誰が相続するの?」「相続放棄したけどお墓の管理はどうしたらよいの?」「お骨を取り戻したい」等々。
「祭祀」とは、「系譜」、「祭具」及び「墳墓」をいいます。
「系譜」とは、家系図やこれに類する文書、「祭具」とは、仏像、位牌、仏壇、十字架等祖先の祭祀・礼拝のために必要な用具、「墳墓」とは、遺体を埋葬・遺骨を埋蔵するための墓石・墓標等をいいます。また、判例では、それらが所在する土地(墓地)も墳墓と社会通念上一体と認められる範囲で祭祀財産に含むとしています。
なお、祖先を祭る位牌・仏壇・墳墓などでも相続人等が自ら購入したものは、その者の所有に属しますので、祭祀財産には含まれません。
被相続人(死者)の遺骨は、その者の所有に属した財産ではないため祭祀財産とはいえませんが、遺骨の所有権は墓地への埋蔵、供養のためのみ行使可能であることから、本条を準用して祭祀主催者に承継されると解するのが判例の立場です。
民法では、系譜、祭具及び墳墓の所有権は、次のように承継すると規定されています。

①被相続人の指示があればその者(民法第897条第1項ただし書)。
この指示は、生前に口頭でも、遺言でもよく方法を問いません。
②被相続人の指示が無い場合は慣習に従う(民法第897条第1項)。
③被相続人の指示が無く、慣習が明らかでない場合は、
家庭裁判所が定める(民法第897条第2項)。

祭祀については、「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する(民法弟896条)」という相続法の原則の例外規定になります。これは、昭和22年の民法改正前における「家」制度(家督相続)と現行民法との妥協的な考えで作られたようです。
このように、現行民法では祭祀承継者の決め方について順位をつけていますが、祭祀承継者の指定を家庭裁判所に申し立てることは稀で、現実は、相続人間で話し合いによる合意で決まることが多いようです。相続人のことを考えると、被相続人は遺言書で祭祀承継者の指定をした方がよいかもしれません。

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