2016年9月第120号|4-1|あきない遠眼鏡(とおめがね)~「悪いようにはしない」は危険な信号|

梅雨が明けてから、一気に暑くなった。38度、39度という日もある。私の場合、暑くて寝苦しいということは滅多にないが、夏大好き人間も年のせいか、暑さに弱くなっていることを認めざるをえない。
さて、そんな暑苦しい時期に、楽しくない話題である。
顧問先のA社(建設業)が、仕事の薄さに苦しんだあげく、やっとえた仕事でしてやられた。人づてでB社の下請けに入ったわけだが、最初の段階で、作業員の数やら機材の装備からして、「一日、20万円稼げないと回らない。」と申し出た。話を聞いたB社の社長、「うん妥当な線じゃないか?自分の会社も下請けで苦労してきたから、下請けの辛さはわかるよ。悪いようにはしないから。」といささか煙にまいた表現で、基本契約書だけは結んで仕事が始まった。基本契約書の中には、個別の工事については発注者側が注文書を発行し、受注者側が注文請書で応じて契約内容が確定し、工事に入ると書かれている。しかし、注文書の発行の気配もなく、したがって契約金額も明示されぬままスタートした。悪いようにはしないの一言で。
案の定、工事が終了する段階でトラブルに発展した。最初は「一日、いくらという請求書でなく、労務費いくら、機械代金いくら、油代いくらと区分した請求書にしてくれないと。」ときた。請求金額を、指示された体裁に直して請求書を作り直して請求書を出しなおすと、今度はこの労務費はうちの職人の工賃より高いとか、この機械代の根拠は何だといちゃもんを付け始めた。「悪いようにはしない。」どころではない。好きにころがしている。明らかに建設業法違反の事態である。B社が、下請けとして苦労してきたのは事実だろう。しかし、そこで覚えた下請けいじめを、輪をかけて孫請けに行っている。工事代金を回収するための難儀な作業が始まるわけだが、なんとも不快な夏の始まりでもある。

税経センターグループ 顧問 新山 晴美

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