2016年12月第123号|3|労働基準監督署による労働条件調査|

 労働基準監督署(以下、監督署という)による調査には大きく二つにわけられます。ひとつは「労働条件調査」といわれるもので、その会社の労務管理(労働条件、安全衛生等)が適正に運用されているかの調査となります。ふたつ目は「労使間紛争が発生した際の調査」で、主に労働者が監督署へ相談した場合等に行われます。今回は、「労働条件調査」についてご案内いたします。
監督署による労働条件調査は、企業をランダムに抽出して行われます(業種を選定したうえで行われる場合もあります)。かなり細かいところまで調べられますので、日常の労務管理は非常に大切なものになります。以下に調査の概略を示します。

・ 出勤簿、賃金台帳の提示(直近6ヶ月~12カ月分)
・ 労災保険、雇用保険の適用状況
・ 労働時間が適正か(長時間労働の有無を確認)
・ 割増賃金が適正に支払われているか
・ 36協定が締結されているか(実際の運用状況との対比)
・ 就業規則、賃金規程等の有無及びその内容
・ 賃金明細に法定項目が記載されているか
・ 管理監督者の取扱いについて
・ 定期健康診断の実施状況と記録の保全状況、産業医等によるヒアリング結果
・ 衛生推進者、産業医等の選任状況(企業規模による)

これが労働条件調査の概略です。上記の事項について、法律に則して運用されていない事項について、監督官は事業主に対し「是正勧告書」を渡します。事業主は「是正勧告書」に指摘された事項について改善を行い、指定された期限までに必要書類等を添付して「是正報告書」を監督官へ提出することになります。
上記の調査項目の中で一番問題になるのは、長時間労働の有無はもちろんですが、割増賃金が適正かどうかという点にあります。他の事項については、時間はかかるかもしれませんが法律に則して改善を図ることによってクリアすることができます。しかしながら、割増賃金が適正に支払われていないと判断された場合は、過去に遡って賃金支払いを命じられることになります。遡及されるのは、最長で時効期限の2年間です。また、その後も適正な割増賃金を支払い続けなければなりません。
日頃の労務管理が重要であるのは当然のことですが、特に給与計算については細かな知識が必要になります。正しい給与計算は、無用なトラブル(未払残業問題)を回避することができます。労務管理、給与計算で不明な点につきましては、お気軽にご相談ください。

お困りごとがございましたら、いつでもお気軽にご相談下さい。
 TEL 04-7165-0664 社会保険労務士法人あさひ社労士事務所

関連記事

  1. 2019年4月第151号|3|有給休暇取得義務化への準備はできて…
  2. 2016年2月第113号|5|治療方法に保険をかける|
  3. 2017年1月第124号|1|「迎春」|
  4. 2016年3月第114号|7|船橋の名所をご紹介~ふなばし三番瀬…
  5. 2018年1月第136号|8|船橋営業所通信~医療費控除の提出書…
  6. 2019年12月第159号|4-2|【火災保険】-水災被害への補…
  7. 2016年6月第117号|1|コラム「政争の具」|
  8. 2017年2月第125号|1|「大国のゆくえ」|

カテゴリー

PAGE TOP