2016年12月第123号|4-1|あきない遠眼鏡(とおめがね)~豊洲劇場|

築地小劇場。大正から昭和に変わるあたりで、土方与志や小山内薫によって始められた劇場で、今でいう新劇のルーツとなっている。時は流れて平成の頃、注目は豊洲劇場。誰も知らない、誰も決めないのに突然地下に空間が出来上がったというストーリーで展開されている。(大手の建設会社が作っているものなのに「誰も決めない」なんてありえないだろう。)なかなか興味深い。しかし、肝心のことを、今のマスコミは突っ込まない。 そもそもなんでそんなに汚染した土地をわざわざ選んだの? 工場跡地を買ったときに、土地が汚染されていて使えないというのはよくある話。日産の村山工場に買い手がついたものの、汚染がひどくてしばらくたなざらしになっていたのは有名な話。以後、「土対法(どたいほう)」(土壌汚染対策法)という法律ができて、工場用地は売り主がきれいにして売らなければならないことになった。  しかし、今回の豊洲についていえば、汚染除去は東京都持ち、しかも移転先まで世話してもらって東京ガスはさっさと出て行った。なんで東京都はここまで親切にするの? 親切の対価は都民の税金で支払われる。都民に負担を押し付けて、儲かる人はどこにいるのか? 答えは豊洲になく、築地である。ここにこそマスコミが突っ込まなければならないミステリーの核心がある。何代目の市場長のときに変わったのなどということは的はずれもいいところ。「記憶はさだかではなくなっている。」と老人は言い始めているではないか?

税経センターグループ 顧問 新山 晴美

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