2017年1月第124号|7|住宅ローン控除と借換え|

弊社のお客様の中には住宅の取得に当たって住宅ローンを組み、住宅借入金等特別控除の適用を受けている方が多数いらっしゃいます。このような方々が金利条件の見直し等の理由で住宅ローンの借換えをした場合、借換え後の住宅借入金等特別控除(以下、住宅ローン控除)の適用はどのようになるのでしょうか。

■制度の概要
国税庁のタックスアンサー「No.1233 住宅ローン等の借換えをしたとき」においては、以下のように明記されています。
『住宅借入金等特別控除の対象となる住宅ローン等は、住宅の新築、取得又は増改築等のために直接必要な借入金又は債務でなければなりません。したがって、住宅ローン等の借換えによる新しい住宅ローン等は、従前の住宅ローンを消滅させるための新たな借入金であり原則として住宅借入金等特別控除の対象とはなりません。
このような場合であっても、一定の要件の下、借換え後の借入金について引き続き住宅借入金等特別控除を受けられます。』
したがって、原則として借換えは住宅ローン控除の対象とはなりませんが、一定の要件を満たせば引き続き住宅ローン控除の対象となるということが示されています。

■ 住宅ローン等の借換え後に住宅ローン控除の適用を受けるための要件
住宅ローン等の借換え後に住宅ローン控除の適用を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。

① 新しい住宅ローン等が当初の住宅ローン等の返済のためのものであることが明らかであること。
② 新しい住宅ローン等が10年以上の償還期間であることなど住宅借入金等特別控除の対象となる要件にあてはまること。

上記①の要件に関しては金利条件の見直し等の理由により借換えをする方であれば、たいていは満たす要件になります。問題となる要件は②です。例えば当初の借入期間が15年で、借換え後の借入期間が13年になったとします。この場合は「借入期間13年」が10年以上の償還期間となるため、②の要件を満たすことになります。これが借換え後「借入期間9年」になったとします。この場合は償還期間が10年未満となってしまいますので、②の要件を満たさず、借換え後は住宅ローン控除の適用は受けられなくなってしまいます。

■ 借換えを行った場合の住宅借入金等の年末残高
借換えによる新たな住宅ローン等が住宅ローン控除の対象となる場合には、次の金額が控除対象となる住宅ローン等の年末残高になります。

① 借換え直前の当初住宅ローン等残高≧借換え後の住宅ローン等の借入時金額となる場合
借換え直前の当初住宅ローン等残高が3,000万円、借換え後の借入時金額が2,500万円、借換え後の年末残高が2,300万円になったとします。この場合は2,300万円が住宅ローン控除の対象となる年末残高になります。

② 借換え直前の当初住宅ローン等残高<借換え後の住宅ローン等の借入時金額となる場合
この場合には借換え後の残高の中に当初の住宅ローンを上回る部分があるため調整が必要になります。借換え直前の当初住宅ローン等残高が2,500万円、借換え後の借入時金額が3,000万円、借換え後の年末残高が2,700万円になったとします。この場合は、以下のように計算した額が住宅ローン控除の対象となる年末残高になります。

2,700万円 × 2,500万円/3,000万円 = 2,250万円

■ 最後に
給与所得者の方々は借換え後の住宅ローン控除について、改めてご自身で確定申告をする必要があるのかという疑問を持つ方がいるかもしれません。年末調整で住宅ローン控除の適用を受けていた給与所得者は、借換え後も引き続き年末調整で住宅ローン控除を行うことができます。
その際は、上記の要件や借入金の年末残高、そして借り換え後あと何年住宅ローン控除の適用を受けられる期間が残っているかに十分注意をする必要があります。もし借換え後の住宅ローン控除の適用について更に詳しく知りたいという方は、お近くの担当者にご相談ください。

※何かお困り事がございましたら、いつでも気軽にご相談ください。
船橋TEL:047-495-4153

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