2017年4月第127号|3|時間外労働の上限規制等について|

 働き方改革実現会議が開催され、注目の「時間外労働の上限規制等に関する政労使提案」が公表されました。以下、その内容をご紹介します。この内容は今後、法案としてまとめられ、2019年4月1日施行に向け、国会での審議等が進められる見込みです。

■時間外労働の上限規制

<原則>
週40時間を超えて労働可能となる残業時間の限度を、原則として、月45時間、かつ、年360時間とし、これに違反した場合に、次に掲げる特例を除いて罰則が課されます。

<特例>
特例として、臨時的な特別の事情がある場合であって、労使合意をもとに労使協定を締結した場合でも、残業時間が年720時間(=月平均60時間)を上回ることはできないものとする。かつ、年720時間以内において、一時的に事務量が増加する場合について、最低限、上回ることのできない上限を設けられる。ただし、この上限については、

①2か月、3か月、4か月、5か月、6か月の平均で、いずれにおいても、休日労働を含んで80時間以内としなければならないとする。

②単月では、休日労働を含んで100時間未満にしなければならないとする。

③加えて、残業時間数の限度の原則は、月45時間、かつ、年360時間であることに鑑み、これを上回る特例の適用は、年半分を上回らないよう、年6回を上限とする。

他方、労使が上限値までの協定締結を回避する努力が求められる点で合意したことに鑑み、さらに可能な限り労働時間の延長を短くするため、新たに労働基準法に指針を定める規定を設けることとし、行政官庁は、当該指針に関し、使用者及び労働組合等に対し、必要な助言・指導を行えるようにする。

■パワーハラスメント防止対策、メンタルヘルス対策
労働者が健康に働くための職場環境の整備に必要なことは、労働時間管理の厳格化だけではない。上司や同僚との良好な人間関係づくりを併せて推進する。このため、職場のパワーハラスメント防止を強化するため、政府は労使関係者を交えた場で対策の検討を行う。併せて、過労死等防止対策推進法に基づく大綱においてメンタルヘルス対策等の新たな目標を掲げることを検討するなど、政府目標を見直す。

■勤務間インターバル制度
労働時間等の設定の改善に関する特別措置法を改正し、事業者は、前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息の確保に努めなければならない旨の努力義務を課し、制度の普及促進に向けて、労使関係者を含む有識者検討会を立ち上げる。また、政府は、同制度を導入する中小企業への助成金の活用や好事例の周知を通じて、取り組みを推進する。

■見直し
政府は、この法律の施行後5年を経過した後適当な時期において、この法律による改正後の規定の実施状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に応じて所要の見直しを行うものとする。

様々な物議を巻き起こした議論ですが、これでほぼ落ち着いてしまった感じがします。恒常的な長時間労働がある事業所におかれましては、労働環境の整備が求められていくことが容易に予想されるところです。

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平成29年3月
社会保険労務士法人 あさひ社労士事務所
特定社会保険労務士 水島 直人

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 TEL 04-7165-0664 社会保険労務士法人あさひ社労士事務所

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