2017年6月第129号|3|社会保険任意適用について|

平成29年4月より建設業界において社会保険適用が相次いでいます。国土交通省が約5年前に建設業者の社会保険適用を強化する旨の方針を発表したことに端を発しています。

その方針の概略は、社会保険に加入していない建設業者は現場に入れない、入札に参加させない、建設業許可の認可・更新をさせない、経営審査の減点をより大きくする等の内容で、ゼネコン等に下請業者への強い加入指導を要求しているということです。一次下請業者に対しては平成29年3月末日までに社会保険適用を徹底させ、二次下請業者に対しても平成29年10月までに社会保険適用を徹底させるよう強く指導している状況です。もちろん法律的には、「法人である事業主」、「常時5人以上の従業員を雇用する事業主」は強制加入とはなりますが…。

さて、建設業者で個人事業主の方も多く存在します。ゼネコンによっては、常時雇用する従業員が5人未満の場合であっても、社会保険に加入するように指導している場面も見受けられます。常時従業員が5人未満でも要件を満たせば社会保険を適用することはできます。これが社会保険任意適用といわれるものです。

任意適用の要件とは以下の二つです。

①従業員の半数以上が社会保険適用事業所となることに同意すること
②半数以上同意された場合、反対の意思を表明した従業員も加入すること

となります。たとえば従業員が三名の場合、二人が同意して一人が反対したときは、任意適用を受けることができますが、反対した人も含めて三人全員が社会保険に加入しなければなりません。また、事業主様やそのご家族は逆に加入することができませんので注意が必要です。

平成28年10月から業種を問わず社会保険の適用拡大が始まりました。その拡大の内容は以下の通りとなります。

③社会保険の被保険者が501人以上の適用事業所
④週20時間以上働く短時間労働者(※短時間労働者の要件があります)

また、平成29年4月からは常時500人以下の事業主にも適用が拡大されました。その際は、労使合意に基づいて申請をすることが必要になります。ただし気をつけなければならないのは、個々の労使合意ではなく、全体での労使合意が求められます。具体的には、ある従業員一人が事業主に対し、「社会保険に加入したいので…」と申し出たとしても、全社的な合意(過半数の合意)がないのでできません。個人事業主の任意適用と同じように、過半数の合意があった場合は、上記③④に該当する従業員は全員加入しなければなりませんので注意が必要です。

特定社会保険労務士 水島 直人

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