2017年6月第129号|4-1|あきない遠眼鏡(とおめがね)~潮目は変わる?|

ヤマト運輸の路線転換(路線修正?)が、一部で話題を呼んでいる。荷主に価格交渉を申し出ること、利用者には極限までのサービスを一部ダウンさせること。

初めて耳にしたときには、「強すぎる荷主」との関係に変化の兆しがあるかもと、少しだけトラック業界に関わる身としては敏感に受け止めた。一方に、「たしかに変化だ」との反応もあり、他方では「ヤマトだからできる話さ。」との冷ややかな声もあるが、いましばらく注目したい。

その背景には、従業員の極限までの長時間労働、未払賃金の問題があるがここでは主題としない。注目したのは「行き過ぎたサービス」に対する「かすかな疑問」の方である。注文すれば翌日には届く(場合によっては即日も)。配達のときいなければ、何度でも配達する、というサービスには無理があることを認めた。最近は、宅配ボックスをつくれなどという声があがったり、ドローンを使って配達するなどの試案(「魔女の宅急便」か?)も出ていたようだが、そこまでする必要がどこまであるのだろう?

みんなが少しずつ不便を共有すれば、解決できる問題が意外とあるのではないかという「啓示」のような気がしてならない。資本主義である以上、競争は避けられず、より早く、より便利に務めてきた結果が、肝心の人間を疲弊させているという変な話だ。大金持ちが金を駆使して王侯貴族の暮らしを夢見るなら勝手にさせておけばいい。(いや税金はしっかり頂くのだとしても) 庶民(普通の人)は、もう少し生きやすく生きた方が「持続する経済」になるのではなかろうか?

夜、11時過ぎの通勤電車が満員状態で走る都会はちょっと異常だ。

東日本大震災や原子力発電所の事故で見直しかけた文明のスピードを、それぞれの足元からさらに見直す時期が来ているのかもしれない。

税経センターグループ 顧問 新山 晴美

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