2017年12月第135号|1|「人類の欲望」|

ムーアの法則、これはインテルの創業者の一人ゴードン・ムーアが約50年前に唱えた説で「半導体の集積率は18ヶ月で2倍になる」というもの。半導体の集積率が上がるということはコンピュータの頭脳というべきCPUの処理速度が上がるということだ。実際この50年間コンピュータの世界は法則をも超えるぐらい著しい発展を遂げている。おかげで我々は50年前に大型であったコンピュータを何億倍もの性能のそれに変えてポケットに忍ばすことができている。しかしこの発展のスピードも衰えがきているようで、ムーアの法則も限界を迎えることになるらしい。そんなことを予測していたのか、すでに開発の対象は量子コンピュータという新たな分野に移っているとのこと。とどまるところを知らない技術革新に対する人類の欲望に驚愕する。さてこの量子コンピュータだが従来の2進法により演算するコンピュータに比べて圧倒的な速度で演算を終える。例えばスーパーコンピュータ京を使っても2、3年かかる計算を量子コンピュータは一瞬で終えてしまう様だ。今までAI(人工知能)の活用には莫大な消費電力が必要とされていて大きな課題となっていたが、一瞬で計算を終える量子コンピュータは電力の消費も一瞬というわけだ。大きな課題が解決されたAIにより今までとはまったく違う世界が広がってくるに違いない。過去のことを学習してより効率良く処理することは得意なAIであっても、50年かけて積み上げてきたテクノロジーが一瞬で陳腐化してしまうような開発は人類にしかできないはずだと頼もしく思った。

税経センターグループ 代表 栗山隆史

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