2018年3月第138号|4-1|あきない遠眼鏡~有能な社長さんに見る~|

「事業承継の障害」私論

事業承継が経営のメインの課題とされて久しい。団塊の世代が70代に差し掛かっても、まだ承継が遅れている会社も多いと聞く。社長さんと話すことを職業として四半世紀。つたないが自分の見聞し、感じたことから感想をまとめてみたい。(以下は、まったく後継者にする人がいなくて、というケースでなく、後継者と思しき対象がありながら、承継が進まないケースを念頭に置いている。)

その1、「まだあいつには無理だ。まかせられない。」と第二走者の力を過小評価するケースである。自分が培ってきた経験、そこからくる判断力、人脈などと比べれば第二走者が見劣りして見えるのは当たり前。むしろ自分が創業した時と比べてみればそれほど差は大きくないのではなかろうか?

その2、自分が創業したときにはゼロからのスタート。いわばダメ元。思い切っていろいろなことができた。第二走者はすでにつくられた城を守るというプレッシャーが最初からある。腹の中で「器量がなければつぶれる」というくらいの気持ちでみまもったらどうだろう。

その3、事業のリーダーを務めることはたいへんだが充実感もあり楽しい。これを捨てるのはたまらなく寂しい。そばで見ていれば、口を出したくなる機会もやまほどある。この切り替えができるかどうかが大きなポイントだ。「O家具」の親子戦争をみるとつくづくそう思う。中には自分の事業意欲の燃焼のために、会社を譲ったあと、別な会社を立ち上げた社長もそこそこいる。

その4、3と似ているが、指導者の地位を譲ったら、よその会社になったものと割り切った方がよい。そして傍観者的な立場から、助言を求められたらアドバイスしてあげるとよいと思う。

その5、変わったところでは、代替わりするときに「助さん、格さん」も変えてあげて、社長あと思と同年代の大番頭、小番頭を後景にしりぞかせるという社長もいる。なかなか卓見だと思う。交替の10年前くらいから「次世代チーム」を形成して将来の経営を考えさせるというのだから太っ腹だ。ワンマンな会社ほどこの手は有効かもしれない。

最後に、バブル崩壊後に育った若手経営者は結構有能である。「いい時代を知らない」ということが強みになっている。

税経センターグループ 顧問
新山 晴美

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