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 NPO法人いもむし様 認定に至るまで

税経センターの顧問先である特定非営利活動法人(以下「NPO法人」と呼びます)いもむし様が、平成22年11月より国税庁長官の認定を受け、認定NPO法人となりました!

認定NPO法人とは、「NPO法人のうち、その運営組織や事業活動が適正であること並びに公益の増進に資することにつき一定の要件を満たすものとして国税庁長官の認定を受けたもの」をいいます。


NPO法人いもむし 全国に約4万あるといわれるNPO法人のうち、認定NPO法人として認定を受けている法人は全国でもおよそ150法人程度と少なく、千葉県では4例目、柏市を含む東葛地域では初めてです。

 ⇒いもむし理事長様コメント
 「認定NPO法人を受けて」


NPO法人いもむし オフィシャルホームページ
URL: http://www.imomusi.com/



認定を受けると何が違うの?

まずは現在の日本における寄附金税制について簡単に触れましょう。

例えば、ある個人AさんがB法人に寄附を行ったとしましょう。
このとき、Aさんは自分の所得や税金から寄附したお金の分だけ控除できないであろうかと考えたとします。Aさんとしては自分の財布からお金を出して寄附をしていますので(経済価値のある現物財産を寄附した場合も同じです)、自然な発想であると言えるでしょう。

tax しかし、課税庁としては、仮にこのような“控除”を無制限に認めてしまうと寄附を通じて所得の付け替えが行われ、課税逃れの手段として利用されてしまうと考えています。そこで、“控除”を認めるケースを高い公益性が認められるなどの場合に限定し、厳格な要件のもとに一定の寄附金についてのみ控除を認めるという考え方を採用しています。このことは法人から法人への寄附についても同様です。こうした税制上の優遇が認められる寄附金の1つに認定NPO法人への寄附金制度があるのです。

 以上をまとめると、ある個人がNPO法人に寄附をしても税制上の優遇は特にありません。まさに“善意の支出”にとどまります。法人が寄附をした場合も、資本金等と所得に応じた損金算入限度額はあるものの、やはり特段の優遇措置はありません。

これに対して、認定NPO法人に寄附を行った場合には税制上の優遇が認められています。その内容を手続きとともに見ていきましょう。

内容・手続き

【個人が寄附をした場合】
1. 所得税

  • 特定寄付金の年間の合計金額から2千円を引いた金額を、寄付を行った年分の所得から控除することができます(所得控除となります)。なお、特定寄付金は課税標準の合計額の40%までという限度があります。

 所得控除額の計算式

  • その年に支払った特定寄付金の合計金額 - 2千円 = 寄付金控除額

 優遇を受けるための手続き

  • 所轄税務署へ確定申告を行う必要があります。その際、確定申告書に認定NPO法人が発行する領収証を添付します。
  • 年末調整では寄付金控除を受けることはできません。


2. 個人住民税(地方公共団体の条例により指定された場合に限ります)

  • 平成20年度税制改正により、個人住民税の寄附金税制が拡充され、都道府県・市区町村が各々の条例で指定した寄附金が、個人住民税から税額控除(寄附金税額控除)できるようになりました。ただし、全国一律ではありません。お住まいの都道府県、市区町村によって異なります。
  • 条例により認められている場合、寄附金のうち5千円を超える部分について、下記の率を乗じた税額が、寄附をした翌年の個人住民税から控除されます(税額控除となります)。なお、控除対象となる寄附金額は課税標準の合計額の30%までという限度があります。

 住民税の控除額

  • (その年に支払った寄付金の合計金額 − 5千円)×控除率(※)
  •  控除率:
    • 都道府県が指定した寄付金:4%
    • 市区町村が指定した寄付金:6%
  • 住所地の都道府県と市区町村の両方から条例指定されている場合:10%

−例えば千葉県、東葛地域の市町村(柏市、松戸市、野田市、流山市、我孫子市)のケースでは?(※1)−

  •  各都道府県、各市区町村はそれぞれの条例で税額控除の対象となる認定NPO法人を独自に定めています。千葉県の条例では「千葉県内に主たる事務所を有する」認定NPO法人、柏市の条例では「柏市内に主たる事務所を有する」認定NPO法人といったように定めています。松戸市、流山市、我孫子市も柏市と同様、「市内に主たる事務所を有する」ことを条件としています。一方、野田市だけが「千葉県内に主たる事務所を有する」認定NPO法人といったように定めていて、野田市内のみという限定を設けていません。

以上をもとに、いくつかの例を考えてみましょう。

まずは千葉県柏市に在住の方が、千葉県柏市内に主たる事業所がある認定NPO法人に寄附をしたケース。
このケースでは寄附した方の千葉県民税と柏市民税のそれぞれから税額控除が認められます。

次に、同じく千葉県柏市に在住の方が他県に主たる事業所がある認定NPO法人に寄附をしたケースでは、千葉県民税と柏市民税からの税額控除は認められないことになります。

柏市在住の方が千葉県内の柏市以外の市町村に主たる事業所がある認定NPO法人に寄附をしたケースでは、千葉県民税のみから税額控除できます。

一方、野田市在住の方の場合であれば、千葉県内の野田市以外の市町村に主たる事業所がある認定NPO法人に寄附をしても、千葉県民税と野田市民税のそれぞれから税額控除が認められています。

とても複雑ですね。概観する限りでは、都道府県の条例には大きな差はないように思われますが、市区町村には“温度差”が見受けられます。厳しい財政事情を抱えている地方自治体にとっては、税収減に結び付きかねない税額控除を認める範囲を限定したいという思惑もあるのでしょう。

  • (※1) 平成21年3月31日現在の条例指定状況をもとにしています。
  • (※2) 上記は個人住民税に関する説明です。法人住民税の場合には所在地による制限はありません。

優遇を受けるための手続き

  • 通常は所得税の確定申告を行う際に個人住民税の申告も併せて行うため、確定申告書用紙の第二表の「住民税に関する事項」の「条例指定分」の欄に寄附金額を記入します。
  • 所得税の確定申告のために認定NPO法人が発行する領収証を添付していれば、住民税申告用に別途領収証を添付する必要はありません。

【法人が寄附をした場合】

  • 法人が寄付をした場合は、一般の寄付金の損金算入限度額とは別に、認定NPO法人に対する寄付金として、当該損金算入限度額の範囲内で損金算入をすることができます。損金算入することができる金額の計算は、特定公益増進法人および特定地域雇用会社に対する寄付金の額とあわせて行うことになりますので、ご注意ください。

特別損金算入限度額
( 資本金等の額 × 当期の月数/12 × 0.25% + 所得の金額 × 5/100 ) ÷ 2

特例措置を受けるための手続き

  • 寄付をした日を含む事業年度の確定申告書提出の際に、申告書に必要事項を記入します。なお、平成23年4月1日以降に終了する事業年度分の申告から、適用額明細書を添付する必要があります。

【相続財産を寄附する場合】

  • 相続または遺贈により財産を受けた方が、認定NPO法人への寄付を、相続税の申告期限内(相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内とされています)に行った場合、寄付した財産は相続税が課税されない非課税財産となります(課税価格の計算の基礎に算入されません)。
  • ただし、寄付をした方又はその親族等の相続税または贈与税の負担が不当に減少する結果となる場合を除きます。
  • 非課税規定の扱いを受けるには認定NPO法人が発行する領収書のほか、別途証明書が必要となります。
  • この非課税規定を含め、相続税の申告には細心の注意を必要とします。相続または遺贈をお考えの方は弊社までご相談ください。

認定NPO法人いもむし様はどんな活動をしているの?
認定を受け、今後の活動にどのよう効果が期待される?

 現在、いもむし様が行っている事業の柱は次の2つです。
地域活動支援センター「ワクワクフレンズ」
   ・障がい者が安心・安定した地域生活を送れるよう、さまざまな作業や仕事を通じた就労及び自立の支援。
   ・柏、流山、松戸など近隣地域のお祭りやフリーマーケットの参加。
・余暇活動を通じた仲間作り。
日中一時支援事業「ほっとほっとルーム」
   ・障がいのある子供たちの日中活動の場所及び居場所作り、またご家族の就労支援及び一時的な休養を図るための支援をしています。

NPO法人いもむし外観NPO法人いもむし催し

 いもむし様が国税庁長官の認定を受けたことにより、いもむし様に寄附をした方々は税制上の優遇を受けられることになりました。

もちろん、これまでにもそうした優遇がなかったとしても寄附を行ってきた方々はいらっしゃいましたが、税制上の優遇を受けられるということは寄附をする側にとっては大きなメリットとなるでしょう。また、今まで寄附をしたことないという方々が寄附をしてみようという契機となるかもしれません。

今日の限られた財政のもとでは、どんなに公益性が高いからといって、その全ての事業を国や自治体が自らの事業として遂行することは極めて難しいと言えるでしょう。

そうであれば、民間のお金が公益性の高い事業に集まるような仕組みが政策として求められるわけで、この認定NPO法人の制度もその一環であるといえます。そして究極的な話しをすれば、今後、寄附金控除額や税額控除限度額が引き上げられていけば、「国や自治体に税金を払うくらいなら寄附した方がマシ」などと考える人も出てくるかもしれません。

そうなると国や自治体にとっては税収入が危ういものとなりかねませんから、納税者の理解が得られるよう、今まで以上に公正性や透明性の高い税制に変えていくことが求められるでしょうし、その先にある税金の無駄遣いに対しても一定の規律が与えられるでしょう。それが当社の目指す“税制の民主化”でもあるわけです。

イメージやや脱線したので話しを元に戻しましょう。いもむし様にとっては、こうしてより多くの資金が集まれば、施設の充実や拡大を図ったり、さらには新たな事業を構想したり・・・といったことまで可能となるかもしれません。ぜひとも、認定を受けたことがゴールなのではなく、これをスタートとしていただければと思います。

 認定NPO法人いもむし様のさらなる発展とご活躍を期待しています。

 

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