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 -税経センター通信  2005年5月号-
                
*** 尼崎の列車事故に学もう一つの教 ***




尼崎の悲惨な鉄道事故で、技術的なあるいは設備的な原因とは別にJRの管理体質に目が向けられ始めています。




 JR誕生の過程で、労働組合に積極的に関わる職員を、隔離して、本業とは関係の無い作業に奴隷のごとく従事させた「人材活用センター」という労務管理がありました。その流れが脈々と受け継がれていることが、今回明るみに出た、JR西日本の「日勤教育」なるものを見るとよくわかります。


 その結果、JRの職員(運転士)でありながら、自分の乗務に遅れまいと現場を立ち去ってしまうような人間を作ってしまいました。部外者から見れば理解に苦しむこの現象も、JRの部内ではまじめに行われた行動なのでしょう。



当然、その運転士たちも乗務の予定があるからこそ、出勤途上にあったわけだし、上司の指示を蹴ってまで現場に残るわけにはいかないし、出勤を指示した上司も「そんな勝手なことをしたら」という考えが脳裏をよぎったのでしょう。



 忠誠心もここまでいけばたいしたもの。安全担当の役員が「気が動転して」とか個人の問題に解消しているのはまったく筋違いというものです。会社が育てたもっともまじめな職員の典型がこの運転士達だったのでしょう。



 一方、現場付近の会社では、氷を大量に届け、トラックを輸送用に提供した市場の関係者をはじめ、多くの「部外者」が救助に駆けつけたと聞きます。
阪神淡路大震災が教訓になっているともいわれますが全く好対照です。


ここで経営者として考えるべきことが見えてきます。



 事業の成功のために献身的に奮闘してくれる社員を欲するのはどこの会社も同じでしょう。しかし、社員の人間性を否定するまでの競争と効率を強いて目的に向かわせるのか、社員の人間性の尊重を前提としてやる気を引き出していくのかは、ときにまったく違う結果を生み出してしまうことが今回の事件で立証されてしまいました。



 前者のケースは大企業に多いと聞きます。ちなみにJR西日本の会長は、関西経営者連盟の副会長でもあります。中小企業の経営者としては、人間味豊な社員を育てつつ、社業の隆盛を目指したいものです。


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