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税経センター通信平成18年3月号

              高齢者の受難

平成17年の税制は、高齢者に関わる大きな変更が二つありました。

老年者控除(一律50万円)の廃止と65歳以上の方の公的年金等控除額の下限の引き下げ(140万円から120万円)です。これが大きな波紋を呼んでいます。

1月に、病院のケースワーカーさんの集まりに税金の話をしてくれということで呼ばれました。20名をこえる人たちが真剣な表情で集まっていました。何でケースワーカーさんが税金?ということなのですが、ケースワーカーさんというのは患者の医療以外の社会生活にわたる部分の相談に乗ってくれる存在です。そのケースワーカーさんをいま深刻な問題が襲っているというのです。

ケースワーカーさんを訪れる患者の多くは65歳以上の高齢者です。その方たちの課税ラインが二つの変更で50万円、20万円下がった結果、住民税の非課税であった方が、課税となり、とても困惑されているというのです。

   ここで生じてくる問題を列挙してみましょう。

  • 課税ラインが下がれば、所得税、住民税を払うようになる、あるいは増額になる人が出てきます。
  • 住民税が非課税から課税になると、医療の高額療養費の基準がガラッと変わってしまいます。例えば70歳未満の方を例にとると、住民税非課税の方であれば月35,400円を超えた医療費は、高額療養費として取り戻しができますが、非課税でなくなると、月72,300円+αが基準になりますのでこれだけで月37,000円近い負担増となるわけです。
  • そればかりではありません。国民保険の保険料に目を転じると、公的年金等控除額の引き下げで所得が20万円増えると(千葉県柏市の例でいえば)年間1万7千円の保険料の増加となります。

  影響が二重三重になって出てくるため、高齢者の生活はとても大きな打撃を受けます。高齢者の医療費に滞りが出れば、病院の経営にもひびいてきます。

ケースワーカーさんの悩みは毎日、直接接している患者さんの悩みを大きく反映していました。

その日の学習会の流れは、寡婦控除(老年者控除と両方はとれなかった)や障害者控除を積極的に活用していこうという方向に発展しました。

年寄り=裕福論がばらまかれ、あっさりと通過した税制改悪が大きな波紋を呼んでいます。

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