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                労働環境は大きく変化する

子供を産む機械」発言で厚生労働大臣の柳沢伯夫氏が一躍有名になりましたが、厚生労働省はたいへん困惑しています。

発言そのものが大問題ということもありますが、実は現在始まっている通常国会は「労働」国会といっていいほど、厚生労働省関連の重要法案が多く、その推進の旗振り役が起こした「不祥事」に、それらの法案の先行きに霧が立ち込めて、見通しが悪くなってしまったからです。

さてこれらの法案、人を使う側にとっても使われる側にとっても影響の大きい法案です。会社の今後のあり方を考える上でも、きちんと視野に入れておきたいところです。

一部ホワイトカラーを時間外労働規制の対象外とする「ホワイトカラーイグゼンプション」は過労死やうつ病が減らない現実を背景にした世論の反撃でいったん後退しました(厚生労働省はこの件に関するQ&Aを最近発表したから決してその導入をあきらめたわけではない。)が、同じ労働基準法の関係では「時間外労働の割増率の改定」が出てきます。月80時間を超える残業には50%の割り増しを義務化するというものです。

中味について労使の対立するところが多く、なかなか難航している新法「労働契約法」ですが、注目は「就業規則の不利益変更は原則としてできない」としている点です。

すでに判例で確立してきている考え方が成分化したものであり、合理性がある場合には不利益変更もできないわけではありませんが、いったん法となればやはり影響は大きいでしょう。経営者側の乱暴な就業規則変更は大きく制約を受けるでしょう。

パート労働法という地味な法律が一躍脚光を浴びています。職務や責任が同じ労働者間では、正社員とパートタイマーの間で差別的な取扱を禁止するものです。いちおう対象を、期間の定めの無い労働契約を締結しているパート労働者に限定し、それ以外のパート労働者については努力義務にとどめてはいるものの、パートタイマーを職場の主たる戦力としている業界では大きな影響が出てくるでしょう。

最低賃金法の改正には、格差拡大を非難する世論が後押しします。人並みのくらしをするためには時給千円、年収200万円は必要とする労働界が、珍しく最低賃金法の改正に積極的です。

そして雇用対策法の改正。大きな柱が二つあります。ひとつは外国人労働者の雇い入れ、離職時に、外国人の氏名、在留資格、在留期限などをハローワークに届け出ることが義務付けられます。もうひとつは現在、努力義務にとどまっている労働者を募集、採用する際の年齢制限撤廃が、義務に格上げされます。(ただし、罰則まではありません。)

こうしてメニューを書き出して見ると変更のスケールが大きいことがお分かりいただけると思いますが、見逃してはならないのが、こうした変更が、全体的な求人難、労働力不足のもとで進行するということです。適切な対応をしなければ仕事はあってもやる人がいない、ということになりかねません。

 
実際にこれらの法律が決まってくるのは、夏に参議院選挙がある関係もあって今秋の臨時国会頃と目されてはいますが、各会社で労務管理を担当するものとしては、自社の中期的な労務政策について、はやめはやめに、法律の改正をふまえた検討をしておかなければならないでしょう。

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