2019年8月第155号|3|みなさん準備はお済ですか?|働き方改革関連法|

みなさん準備はお済ですか?

働き方改革関連法が順次施行されていきます。

今年4月から本格的に働き方改革関連法が施行されています。大企業と中小企業では施行スケジュールは異なりますが、中小企業は下記のスケジュールで実施されることになります(施行される主な項目を示しています)。

  1. 残業時間に上限が設けられます。
    (2020年4月、建設業・運送業は2024年4月~)
  2. 有給休暇を年間に5日与えなければなりません。
    (2019年4月~)
  3. 残業時間が60時間超を超えた分は割増率50%以上で支払わなければなりません。
    (2023年4月~)
  4. 同一労働同一賃金
    (2021年4月~)

 ※①~④にはそれぞれ要件があります。

今後の注目は『④同一労働同一賃金』です。

働き方改革関連法では、①残業時間に上限が設けられること、②有給休暇を年間に5日与えることが目立っていますが、注目すべきは上記④の『同一労働同一賃金』です。昨年6月1日に最高裁判所で、運送業における『同一労働同一賃金』を争点とした判決が2件続けて出ていることが、今後の参考になっていくと思います。

この判決では、労働条件が異なる労働者がいる場合、この違いについて『働く業務の内容やその責任の重さ』等の明確な理由がなければならないというものです。つまり、雇い方が違っていても労働条件は公平でなければならないというのが『同一労働同一賃金』なのです。運送業に関する判例ですがどの業種でも同じことが言えます。

労働条件が異なる労働者間の公平性を判断するには、賃金総額を単純に比較するのみでなく、基本給や手当等の支給目的を個別に考えて公平に支給されているかを見ていくことになります。具体的な例を次に示します。

  1. 無事故手当(安全運転及び事故防止の必要性は変わらない)
  2. 作業手当(実施作業に対する金銭的評価は変わらない)
  3. 給食手当(勤務時間中に食事をとることの必要性・程度は変わらない)
  4. 皆勤手当(人員確保のために皆勤を奨励する点はかわらない)
  5. 通勤手当(通勤に要する交通費はかわらない)

会社によって支給される手当は様々ですが、支給する目的によって公平・不公平を考えていく必要があります。

早めの準備が必要です。

皆さんの会社では、雇い方は様々でも、正社員と『パート・アルバイト・有期雇用・契約社員等(名称は様々ですが…)』がいらっしゃるケースがあると思います。労働条件が違っている場合は、正社員とパートなどの諸手当の違いを一覧表にするなど、まず現状を把握していただくことをお勧めいたします。中小企業は2021年4月からの施行ですがきちんと対応できるようになるには相応の時間を要することになると思います。法律が施行された時に慌てないようにしておきたいものです。

不明点についてはお問合せください。

※何かお困り事がございましたら、いつでも気軽にご相談下さい。
あさひ社労士事務所:04-7165-0664

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