2020年6月第165号|6|事業継承問題|

皆さんこんにちは。
今回は事業承継の一つである従業員(社員)承継について解説していきます。

従業員承継とは、その名の通り会社を役員や従業員に承継させることをいいます。近年では、息子や親族に承継させる親族内承継は減少傾向にありますが、逆にこの従業員承継は増加傾向にあります。その理由としては、①素質のある人を幅広く選定することが出来る②会社のことを理解している人に承継してもらえる③他の社員や取引先の理解を得やすいといった点が挙げられます。

デメリットとしては、株式譲渡の対価の問題が出てくる可能性が高いことや会社を理解していることの裏返しで、会社が発展しない可能性もあることが挙げられます。

<実際に事業承継する際の流れ>

①会社の状況を把握し候補者を選定する

まずは会社の置かれた状況をもう一度把握することから始めます。その後、後継者候補を選定していくことになりますが、共同創業者・他の役員・素質のある社員等といったところが候補になるでしょう。

②候補者の育成と周知

候補者として選定された人でも初めから会社経営をする能力は無いので、経営者としての育成をする必要があります。多くの実務経験を積ませることが大切です。

また事前に会社内・会社外に周知することも必要です。周知するタイミングは早すぎたり遅すぎたりしないことが重要ですので、慎重に見計らいましょう。

③株式の移転と業務の引継ぎ

従業員に会社を継がせる場合でも、基本的には株式の移転を行います。株式の移転には①対価を払ってもらう譲渡②無償で譲る贈与③現経営者が亡くなった時に移転させる遺贈があります。

最後には経営者が行っている業務の引継ぎをすべて終了したら、事業承継は完了となります。

株式の移転等、事業承継には税務上の留意点がたくさんあります。膨大なプロセスが必要な事業承継を経営者のみで行うことは非効率であり、様々なリスクも抱えることになりますので、税理士等の専門家と一緒になって考えていくことが大切です。

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