2019年4月第151号|4-1|あきない遠眼鏡(とおめがね)~曲学阿世(真実をまげて権力におもねる)|

年末から国会の主要話題になってしまった統計の偽装疑惑、「うそはついたが隠ぺいではない」というまたまた新語大賞に選ばれそうな名言(迷言)を残して迷走中だが、さまざまな分野の調査分析の基礎になる数字の「工作」だけにあちこちに波紋を残して一向におさまりそうにない。

と思えば、また別な場所で火を噴いている。2012年から、段階的に生活保護水準の引き下げが行われており、これについては全国で千人を超える原告が裁判を起こしている。国側の引き下げの根拠は物価の下落とされてきたが、「計算手法を操作することで物価下落率を大きくし」、保護基準引き下げの理由にしたのではないかという疑問が大きくなっている。

もともと生活実感からすれば「おかしいな」という見方はされていたようだが、今回の統計偽装事件で、よりその見方は強まり、国側の代理人は明確な説明ができなくなっているようだ。

また有識者が答申をする(生活保護の)基準部会をめぐっても、部会長を担ってきた大学教授が「厚労省が基準部会の答申を尊重せず、かけ離れた決定=基準引き下げを行った」経過につき名古屋地裁に意見書を提出し、国側は窮地に立たされようとしている。

嘘をついた結果、大きな墓穴を掘るというのはわれわれ庶民の経験するところであるが、その場合の最大の策が「ごめんなさい」をすることだということは

庶民ならばみな知っている。「隠せば隠すほど傷口は深くなる。」

税経センターグループ 顧問 新山 晴美

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