2020年3月第162号|4-1|あきない遠眼鏡(とおめがね)~極言極論|

毎週送られてくる「国保実務」という冊子(といっても50頁はある)がある。社会保険労務士という職業上、社会保障のことを人から聞かれたときには、少しは知っていなければという思いで高額な購読料を払っている。

正直いって毎週送られてくるとなるとパラパラ見るのがやっとなのだが、この冊子の裏表紙に編集部の編集後記が載っていてその題が「極言極論」である。

最近、この欄にはまっている。というかここだけは読むようにしている。

「国保実務」という雑誌の性格上、審議会の報告や厚生労働官僚の発言やらが多くて、いささかうんざりするのだが、あるときこの欄を読んでほっとした記憶がある。政府の進める社会保障改悪に、批判的とまでは言えないが、懐疑的な文章が散見されたためだ。以来、まずこの欄を読む癖がついた。

1月27日号は、「後期高齢者医療制度の負担割合に2割を導入する」方針が出されたことについて。2月3日号は「介護保険制度の見直しに関する意見」について。

極言居士は、前者については「高齢者の負担引き上げは理解できる」としたものの、「高額所得者が被扶養者枠にそこそこいること」や「富裕高齢者に偏っている配当や株の譲渡益といった金融所得がまるまる所得判定から除外されている」ことに疑問を呈している。また後者については、「昨今は、何でもかんでも保険者機能の強化と称してその方向を金銭的インセンティブで誘導する手法が流行っているが、いささか節操を欠くように感じられる」と疑問を投げかけている。

介護保険は改悪の項目がいったん足踏みした感があるが、もう当初の理念など捨ててがたがたの状況だし、高齢者医療についてはまもなく攻防が始まるだろう。

税経センターグループ 顧問 新山 晴美

 

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