2018年10月第145号|4-1|あきない遠眼鏡(とおめがね)~「正直・公正」。個人攻撃は止めろ!|

日に日に閉塞感の増すいまの時代だが、「それにしても」という話。

茶碗の中の嵐であるが、日本の現状をよく表していると思うので、この話が出た時からとりあげようと思った。(この稿が読まれる頃には終わっている話だが。) 中身はみなさんご承知であろうから詳しくは述べない。自民党の総裁選で石破候補が「正直・公正」というスローガンを掲げたところ、「個人攻撃だから」と文句を言う人が出てきたという話。

「正直・公正」が攻撃と捉えられる?選挙といえば、だれでも唱えるきれいごと。月並み。つまり百人いたら百人が掲げてもおかしくないようなスローガンである。これに個人攻撃だとかみついた子分がいたものだから「えっ、そんなに拒否反応?」「よっぽど『私は正直・公正』といわれるのがいやなんだ」と反応した側の正直さに驚いた。よっぽど自分たちは『正直・公正』でないというのがわかっているんだと思った。語るに落ちるとはこのことだろう。

さらなる違和感は「個人攻撃だからよくない」という理由づけである。ちびまる子ちゃんの5年2組の級長選挙ではない。日本の針路を託せるかどうかということに関わる与党の総裁選である。容姿や出自をあげつらう個人攻撃はよろしくないと思うが、政治信条や政治理念をぶつけあう政治家の格闘である。がんがんやりあってこそではないか。相手がいやがることを言わないでどうすると思う。

議員の85%が満面の笑みをたたえて領袖の賛美に走る、そんな姿はみたくない。(そうしなければ干されるという打算もあるらしいが。)

蛇足で申せば、対立候補だって勝負所をはずして今頃出てきてもと思うし、女性首相第一号をめざすという人だって、推薦人を集められなければ、くるっと身をひるがえして多数派に逃げ込む。骨のある政治家はいないんだね。奇人といわれ続けて、自民党をぶっこわすとまで言って、政権を奪取した小泉純一郎はさすがだったと思う。「勝負どころ」は経営にとっても必要だよね。他人の成功を見て、それから出てくる?それじゃあね?

税経センターグループ 顧問 新山 晴美

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