2019年6月第153号|4-1|あきない遠眼鏡(とおめがね)~世界は変わる、10年で|

10年以上前のこと、税経センターの幹部合宿で「10年後には私たちの仕事はどうなっているか?」というブレインストーミング(思いつきでいいから考えをどんどん出しあって、他人の意見を否定しない会議)を行った。目前の課題に追われて長期的な視野を失ってしまうことを防ぐために思い切って10年という切り口で考えてみたわけである。。

内容はほとんど忘れてしまったが印象的で忘れられないのは、ある幹部が発した「現金がなくなると思います。」という一言だ。お金がなになるという意味ではなく、「支払手段としての『現金』がなくなる」という意味である。たしかに電子決済等がとりあげられてはいたが、現金という手段がなくなるなんてと(その着想を買いつつも)思っていた。

 しかし現在はキャッシュレスの時代が到来し、加速している。政府も消費税増税にからめてキャッシュレス化を推進し、キャッシュレス化では日本が中国や韓国の後塵を拝しているという報道もなされている。そんな中でも昭和を引きずったじいさん(小生)は、コンビニでも小銭を数えたりしている。そのうち飲み会のワリカンはLINE Payでと言われる恐怖を感じながら。

最近、さらに突き落とされるような話にぶつかった。

旅行作家Yさんによれば四川省にある世界遺産(楽山大仏)を訪れたときに、券売機で入場券を買おうとしたら、なんと現金の投入口がなかったという話が「国際人流」という雑誌に出ていた。困惑したYさんを救ってくれたのは居合わせた中国人で、その場で現金(中国紙幣)を受け取ってQRコード決済をしてくれたというのだ。はじめて北京に行った10年前にはそんなことは見聞しなかったのに。

次なる10年で何が起こるのか? 昭和を引きずったじいさんは、ため息をついている。

税経センターグループ 顧問 新山 晴美

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