2019年10月第157号|4-1|あきない遠眼鏡(とおめがね)~あんたが大将、あんたが大将|

「台風15号で停電、断水」というわけで私のところにも他の地方(新潟、島根など)から心配のメールが入る。幸い千葉の北西部は電気、水とも大丈夫と答えている。我が家も鉄製の長さ3メートルの門扉が飛んだが、近所にも車にも被害を与えず胸をなでおろしたところだ。

ところが被災地の現実は日を追って深刻になっている。(この記事は14日に書いている。)防災訓練でも各自、「(ライフラインが止まっても)三日間は持ちこたえろ」と言われてきたことを考えれば異例の復旧遅れだ。理由はいろいろあるだろうし、検証は後日にまかすが、我が家で不思議の種になっているのは、県の動きが鈍い(続いて政府も)ということだ。台風直撃後から県知事の生の声は聞こえず五日も経った現在も、「東京電力に復旧を強く要請している」というだけで、電気・水の差し迫った危機への決意や提案は聞こえない。知人の話では千葉市鎌取地区の元東京都職員の方が「東京都の給水車を動員してもらえ」と談判したそうだが、上には伝わらなかったらしい。近隣の都県の給水車を動員するだけでも「命の水」はだいぶ助かるのではないのかというわけである。報道では、10日の午前4時に陸上自衛隊第一空挺団の給水トレーラーを要請したとのことだが、事態が改善するほどの動きにはなっていない。

災害対策本部を開催したのが10日の午前9時15分。そこで出たのが「東京電力に早期復旧を要請してほしい。」という先のフレーズだ。あんたが要請するんだろう?

2011年の東北大震災のときは地震から1時間半後には第一回の対策会議を開いていたというのだから、「なんで自分のところがピンチなのに」という思いは強い。

タレント出身の知事さんは手腕は問われず、その知名度で勝ってきた。県議会ではたいした答弁はできず、それが県の幹部には好都合だったというのだが、あらためて危機対応が必要な行政トップは、見てくれや人気だけで選ぶのはやめた方がよいのではないかと思う。問われるのは次は県民の方だ。

税経センターグループ 顧問 新山 晴美

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