2020年1月第160号|5-1|あきない遠眼鏡(とおめがね)~越前屋(福井県)、おぬしも(・)悪よ、のう。|

関西電力幹部への賂(まいない)問題、実物の小判まで登場して、話題性は高まる一方だが、元検事総長ひきいる第三者委員会は七百人超を聞き取りした結果、問題の根深さに高浜原発以外にも調査を広げることとなり、年内の報告を断念したことが報じられた。(12月15日)

この件では別途、福井県の歴代幹部109人にも最高額20万円の金品が渡されていたことが報じられている。かたや1億円もの金を受け取った人もいる関電。最高額20万円という福井県。金額の開きが大きいと感じられる向きもいるかもしれないが、私は遠い昔のことを思い出していた。

昭和30年代、中学生だった私たちはよく悪さをしていた。自転車を連ねて10キロの道を悪童6人くらいで釣りに出掛け、途中で腹をすかすと獲物(梨、ブドウ)のありそうなところで、自転車を停めて、おやつを調達したりしていた。その際には悪事に気の進まぬ級友がいても、無理やり口に押し込んでいたものである。真面目な級友が後日、教師に「事の真相」を「実は…」と報告するのを防ぐためである。一口でも梨をかじった真面目くんに口を割られないように食べさせたというわけだ。

この事件、結末は、口止め工作をしたまではよかったが、教室で「武勇伝」を周りの級友に話した奴がいたために教師の知るところとなり、一同数珠つなぎに職員室(昔は教務室といった)に引っ張られて一巻の終わり。

福井県の幹部への現金、商品券、小判、仕立券などの話に、若き日の悪行から連想して、まさに口止め料だなあと感じたわけだ。もらってしまったら真実はしゃべれなくなる。かといって突き返すのも…ちょっとなあというわけだ。

しかし発電所に関わらない幹部にまで配ったというこの口止め料だが、県民の安全、将来に関わることとなれば、口止めされた人を職員室に引っ張るだけでは終わらせず、癒着の本質にメスを入れてほしいと思っている。

それにしても農家のおじさん、ごめんなさい。

税経センターグループ 顧問 新山 晴美

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