2019年6月第153号|1|「自動車大国の責任」|

暴走した車が幼い子供の命を奪うという痛ましいニュースが連日のように報道されている。特にドライバーの運転ミスで男女12名を死傷させた池袋の事件では、加害者は87歳という高齢もさることながら、事故前から杖なしでは歩行することも難しいほど足が悪く医師から運転を止められていたという。医師が止めているにもかかわらず運転してしまうとすればその危険の大きさは飲酒運転と何ら変わらないのではと腹立たしい思いだ。この事件をきっかけに免許を自主返納するドライバーが急増したらしい。確かにこれらは高齢ドライバーだけでなくその家族にとってもいつ事件の当事者になるかもしれない切羽詰まった問題なのだろう。しかし地方で暮らす高齢者にとって免許を失うことは移動手段を失うことになるので簡単に解決される問題でないことも事実だ。だとしたら日本の自動車産業の技術によって、勢いよく踏み込まれたアクセルではエンジンが動かない仕組みや、ちょっとでも車体にものが当たったら急ブレーキがかかる技術や、そもそも急発進や高速運転できない高齢者用の自動車を創る取り組みなど考えられることは様々あるはずだ。自動車産業で経済発展し今後ますます高齢化社会を迎えるわが国にとって、全世界においても率先して問題解決し他国のモデルケースとなる責任があるのだろうと思った。

税経センターグループ 代表 栗山隆史

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