2019年9月第156号|1|「ニッポンの素晴らしき論功行賞」|

8月16日外務省が驚くべき人事を発表した。森友学園の事件に関わる決裁文書改ざんで中核的な役割を担ったとされる財務省官房参事官の中村氏を駐英公使に充てるというものだ。森友問題でいえば事件当時、中村氏の上司であった佐川元理財局長が事件発覚後に国税庁長官に抜擢された(文書改ざんに関与した人物が税務行政のトップでいることの世論の猛反発により更迭された)り、安倍昭恵夫人の元秘書だった谷氏がイタリアの日本大使館で一等書記官に栄転したりしていた。官僚らの刑事責任は8月9日に大阪地検特捜部が森友問題に関わった財務省幹部10人すべての不起訴を発表したことによってこれ以上追及されないこととなったのだ。この不起訴発表が参院選の前であれば投票行動にも影響を与えていたのでは?と地検すらも何かを忖度したのではと疑ってしまう。財務省が起こした歴史上類をみない文書改ざん事件は財務官僚幹部、財務大臣や総理大臣のだれ一人責任を取らないまま闇に葬られることとなるようだ。政府にとって不都合な事実をしっかり隠した役人に対してはしっかり褒美を与えるという信頼関係が官僚組織を支えているのだと暗く深い闇を見た気がした。

税経センターグループ 代表 栗山隆史

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