2020年5月第164号|1|「火事場ドロボウ」|

人々が混乱している中で利益を得ること又は利益を得る者を火事で混乱した現場で窃盗を働くことに例えて火事場泥棒と呼ぶが、実際この新型コロナ感染症によって休業を余儀なくされている店舗で空き巣が発生しているという報道を目にした。ただでさえ大きな損失を被っている事業者の方々を狙うとは卑劣で許せない犯行である。国会に目を移してみるとこの感染症に伴う緊急経済対策で収入減世帯に30万円給付するだの、それとも国民一律10万円給付すべきだの政党ごとの思惑で慌ただしい。まさに国会の中も混乱しているがそんな最中、日本の農業のあり方や食の安全を大きく変える種苗法改正、年金支給開始年齢を75歳まで引き上げる年金改革関連法案や検察官の定年を65歳に引き上げる検察庁法改正など、混乱に乗じて一遍にいくつかの法律を変えてしまおうとしている。特に検察庁法改正に至っては政権にとって都合の良い黒川検事長を定年で退官させずに検察のトップに据えようと法律まで変えてしまうという権力の私物化に他ならない。日本全国がこの感染症と死に物狂いで戦っている中、私利私欲で国会運営を行うなど最大級の火事場ドロボウに違いない。

税経センターグループ 代表 栗山隆史

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