2020年5月第164号|4-1|あきない遠眼鏡(とおめがね)~西部戦線異状なし|

3月21日の朝は妙に車が多かった。みんなスーパーに吸い込まれていくので「買い出しの車だ」と思った。外出自粛するなら家で籠城するぞ、と。

NYタイムスに、豆の棚がからっぽになってビックリというアメリカの記事が載っていた。籠城するなら、食料には豆だという流れに、遠い昔に読んだ「西部戦線異状なし」という文庫本を思い出した。有名な小説だというのはのちに知るのだが、15歳やそこらの少年には難しかった。20歳くらいのドイツの若者たちが兵士となって戦場に駆り出されていく。舞台は第一次世界大戦。内容はおぼろげにしか残ってないが、印象に残っているのは戦地での食い物で毎日のように豆の缶詰を食うシーン。「また豆かよ。」みたいに兵士たちは毒づくのだが、読者の少年はうずら豆、金時豆の煮物が大好きだったので主人公の意に反してうまそうに思っていた。 この豆の缶詰に、コロナの渦中で飛ぶように売れる豆の袋や豆の缶詰が結びついた。豆は栄養価も高いし、腐ることがないので保存にいい。百年経っても食える。籠城するにはもってこいの食材だ。だから戦場でも重宝されただろう。

ちなみに大豆をフライパンで乾(から)煎りして、生のしょうゆにどぶんとぶっこむ「しょうゆ豆」(我が家での勝手なネーミング)も、白いご飯にばらまいてかっ込めば、他におかずがなくてもご飯はすすむ。コロナ禍は妙なことを思い出させてくれたものだ。

税経センターグループ 顧問 新山 晴美

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